件名通り、病気の観点からだけでなく、精神面・行動面にも(良くも悪くも)影響します。
病気の観点からの情報はよく見受けられますが、精神的または行動からの面での効果というか影響についての情報が少ないのも現実かもしれません。
大切なことは「長所が活かされる生活をすること」です。
手術をしても短所が目立つ生活では…ですね。
今回は手術をする時期(タイミング)について…です。
何度も触れていることですが、手術をするのは獣医さんです。
施術する獣医さんとご相談の上、ベストまたはベターなタイミングを検討されてください。
毎回、出てくる「3つの本能」
1.繁殖本能
2.危機回避本能
3.捕食本能
これは、避けて考えることが出来ません。
愛犬との暮らしには欠かせない要素です。
私個人的には知っていることが常識になるよう発信していきたい重要な要素です。
まず、子犬は「3つの本能」が完全ではありません。
生まれたての子犬には「捕食本能」しか刺激されません。
母犬が外敵から守るため、危機回避も生まれて直ぐには刺激されません。
当然、子犬に繁殖できる身体的成熟はしていません。
危険回避は生後7週齢頃から芽生えると言われています。
親から離れ、少しずつ探索を始めるのに必要になるからです。
この時期から、少しずつ「怖い・不安」という認識が出てきます。
日数が経てば経つほど、この本能がシッカリしてくるので、危機回避の本能が鈍感なうちに「怖い・不安」と感じるであろう社会経験を少しずつ機会を与え、精神的に大きなストレスを受けにくい犬へと育てることが大切です。
ちなみに生後16週齢くらいまでに、成犬で遭遇するであろう様々な経験を体験させておくことが社会化期に大切です。
(今回は繁殖本能がテーマなので割愛しますが、子犬を育てるには危機回避の本能を意識することが重要です)
繁殖本能が成熟する時期を知る必要あり!
(個体差はありますが)生後4ヶ月頃から乳歯が永久歯に変わり始めます。
この点だけを注目しても、子犬が成犬になるための準備が始まる時期です。
【♂犬の場合】
【♀犬の場合】
子犬を迎えた頃にはなかった行動(様子)が、生後6ヶ月くらいになるとチラホラと出てきます。
この頃が「繁殖本能が成熟してきた!」と判断するのに分かりやすいかと思います。
繁殖本能が成熟してくることで、行動のレパートリーが増えます。
行動に関して、繁殖本能が原因だとしても、経験したことは記憶に残ります。
たくさんの経験は記憶に残っています。
手術をしても記憶はなくなりませんから…。
本能の優先順位の都合上、繁殖本能の行動はコントロールや抑制が難しいことは以前にも書きました。
つまり、経験してからよりも経験する前の方が記憶に残ることがないということです。
例えば、マーキングが多くて…という場合。
原因は男性ホルモンの活動が引き金だとしても、経験が多くなることで記憶に濃く印象が残ります。
簡単には「去勢したから良くなる」という安易なものではありません。
しかし、今以上頻度が増える引き金は取り除いてあげられます。
繁殖的な行動の抑制を最優先して不妊手術を検討するのであれば「性成熟する前」というのが理想的である。
しかし、経験上では早い時期に手術をしている犬は、その時点で性的な成熟が止まる為であろうと想像しているのですが、犬同士のコミュニケーション時、何歳になっても子犬扱いされている感があります。
(だからといって、生活に支障があるというものではありません)
実際、1回目の発情が来る前に避妊手術をした方が乳腺腫瘍になる確率も大分下がるのだが、身体的な成長の観点から「(手術するには)早い」という獣医さんが多いのも現実。
何を基準にいつするのか?
成長には個体差もありますし、繁殖本能が比較的強い犬もいれば、弱い犬もいます。
理想的なタイミングといっても、全ての犬が同じ時期というものでもありません。
全体的なバランスも考慮して、良きタイミングにされることが必要です!
獣医さんの立場的なメリット・デメリット、行動や精神面からのメリット・デメリット両方の観点から「いつがベスト(またはベター)なのか?」を把握することが大切です。
初めて愛犬を迎えた方では、その判断も難しいと思います。
信頼できる獣医さんと行動面のサポートしてくれるトレーナーやインストラクターに相談できる環境づくりが最も愛犬のためになるかと思います。
獣医さんだけでなく、行動面からもプロにご相談されることも常識になって欲しいと思っています。
愛犬は大切な家族ですから!