最近は一般的になってきた不妊手術。
避妊・去勢手術を「やる・やらない」は家族が決めること。
また、手術をするのは獣医さん。
愛犬には「する・しない」の決定権はありません。
しかし、何でこれほどまでに普及してきたのか?
やはり、一緒に暮らす上で「犬にも人にも」メリットが大きいから…ですね。
私は家庭犬の「しつけ」に関するインストラクターですから、
皆さんの愛犬に手術を「する・しない」の決定権もありません。
獣医さんでもありませんので、手術を施す人でもありませんが、
基本的に私は不妊手術を「推奨」します!
もちろん、メリットが大きいということの背景にはデメリットもあるということです。
メリットとなる長所・デメリットとなりうる短所をしっかりと把握した上で、不妊手術をすることを「推奨する」と考えて頂きたいです。
(獣医さんが詳しいジャンル:体の問題)
(しつけや行動系が詳しいジャンル:心の問題)
今回は「しつけ」というか、日常のストレス管理における「不妊手術の効果について」です。
獣医学的なメリット&デメリットは掛かり付けの動物病院でご相談してください。
(もちろん、切り離して考えられない部分もありますが…)
犬の行動は「3つの本能から反射的に行動している」ということです。
3つの本能って?
1.繁殖本能
2.危機回避本能
3.捕食本能
2.危機回避本能
3.捕食本能
刺激される本能に例外はありません。
また、同時に刺激された場合、数字通りに優先されます。
例えば、雷が嫌いな犬。
雷が鳴るとゴハンも食べられない…。
雷が鳴る=危機回避本能が刺激
食事=捕食本能が刺激
2つの異なる本能を刺激される要素が同時に出現された場合、
(今回のケースでは、危機回避と捕食の本能)
捕食本能よりも危機回避の本能が優先されます。
注)雷が「少し」怖い場合には、ゴハンが食べられることもあります。
今回は不妊手術の有無です。
つまり、繁殖本能に関わります。
繁殖本能は何よりも優先されます。
叱られても…です。(叱る=危機回避の本能を刺激することになる)
人間とは異なり、理性で抑制することは出来ません。
この強烈な本能を満足する暮らしを提供することは非常に困難なのです。
この様なことを書くと…
「じゃ、1回くらい経験させてあげたい」
なんていう方もいます…。
また、機会を改めて書きますが、
強烈な印象が記憶に残れば、不妊手術をしても心のモヤモヤは…
となります。
元々は種を残すための繁殖本能。
子孫を(各家庭で)残し、終生飼育が困難であることも現実…。
実際に使うことがない生殖器だからこそ、より病気になる確率も…。
繁殖本能は子孫を残す「直球的な部分」だけでなく、根回し的な「間接的な部分」もあります。
代表的なものとしては「マーキング」ですね。
ただ、不妊手術をすれば「軽減する」とも一概に言えません。
実際には経験という記憶の問題があるからです。
快楽や満足感を記憶した場合、原因を取り除いても記憶には残っているということです。
(手術をすれば良いというだけでなく、いつのタイミングで施すのか?も記憶の観点では大切です)
3つの本能と最優先される本能が「繁殖本能」であるということ。
繁殖本能の制御・管理は私たちが察する以上に大変だということ。
この本質はどうにもならぬ事実なんですね。
このテーマだけでも、まだまだお伝えしたいことはたくさんあります。
何回かに分けて書きたいと思っています。
まだ、不妊手術を迷われている方には手術をすることを急ぐより、正しい情報を冷静に収集し、メリット&デメリットをしっかり認識して欲しいことが伝わると嬉しい限りです。