前回の続きです。
基本的に不妊手術は家庭犬インストラクターである私の立場からでも、手術しないよりも、した方がお互いが暮らしやすくなると思います。
前述でも書いておりますが、犬にも私にも獣医さんにも「手術する優先権」はありません。
決めるのは家族です。
また、手術をしたことによっての短所が目立たないようにすることも家族にしか出来ません。
不妊手術を推奨していない獣医さんも少数ではあるようです。
何を基準として考えるのか?
これも、家族に委ねられるでしょう。
まず、一般的な不妊手術は何をされているのか?を明確にしておく必要がありますね。
去勢手術:睾丸の摘出手術=♂
避妊手術:卵巣と子宮の摘出手術=♀
一般的な話です。(詳細は担当医へご確認ください)
手術によって「ならない病気」と「なる確率が下がる病気」がある訳ですね。
これによって、愛犬を獣医さんが診察する際、たくさん考えられる病気の候補を少しでも除外して診断をスタートすることも出来る訳です。
(使われない生殖器が具合悪くなりやすいのは、犬でも人でも同じようです)
本などでは手術することによって「性格が穏やかになる」と書いてあるものをたくさん目にしました。
さて、実際にはどうなのでしょう?
というのが、今回の話題です。
ここで再確認すべき点は、犬の3つの本能です。
(前回のブログ記事を読んでからの方がスッキリします)
最優先される本能が繁殖本能です。
(男性または女性)ホルモンの分泌が多い部分を摘出することによって、刺激される原因を取り除かれます。
つまり、繁殖に関する刺激に関しては「穏やかになる」という意味で受け止めるべきです。
日頃、チャカチャカとしているワンコが手術によって「大人しくなる」という意味とは異なります。
「性格が穏やかになる」という表記には偽りがないのでしょうが、一般の愛犬家には理解が程遠いかもしれません。
1.繁殖本能
2.危機回避本能
3.捕食本能
少々叱られたくらいでは抑制できないのが繁殖本能です。
逆にいえば、勇気の本能です。
勇気の本能を取り除かれるのですから、行動面から表現するなら「性格が穏やかになる」というよりは「勇気が減り、恐怖反応が目立つように感じる」とでも言いたいところです。
3つの本能を把握して生活するよりも、2つの本能を理解して愛犬と暮らした方がお互いにストレスが少なくて済むのは想像つきやすいのではないでしょうか。
不妊手術をすると太るとも言われますが、繁殖に関わる代謝エネルギーが減ったことで必要量より減らす必要があります。
個体差はありますが、体重に対しての適正量から20%前後減らすくらいが適当です。
手術すると、こういった素晴らしい生活が待っています!みたいなことではありませんが、メリットになる点とデメリットになりやすい点を整理して頂ける機会にして欲しいと思います。
次は私なりに「いつ頃、手術がいいの?」をUPしてみたいと思います!